第3者行為災害と年金支給停止

以下の記述の中から誤りを選択してください。

(1)厚生年金の被保険者が通勤途中に、第三者による行為によって負傷しまたは傷病になり該当する障害等級になったときは、障害厚生年金の給付を受けることができるとともに、労働者災害補償保険法の障害(補償)年金の給付も併せて受けることが可能である。この場合、厚生年金はその全額を支給されるが、支給事由が同じ労働者災害補償保険法の保険給付は一定割合が減額された保険給付がなされる。

(2)第三者行為による被害者でもある厚生年金の被保険者は政府に対し、障害厚生年金に基ずく給付を請求できるとともに、第三者に対し損害賠償請求権を併せて取得する。この場合、年金請求の際、日本年金機構に第三者行為事故状況届を必要な添付書類とともに提出しなければなりません。

(3)第三者から損害賠償金を受けたときは、その価格の限度で保険給付をしないことができると保険給付控除の規定があり、給付の支給調整が行われますが、自損事故や単独事故の場合は、損賠賠償請求権はそもそも発生せず、したがって支給調整はありませんが、この場合でも、第三者行為事故状況届は提出しなければならない。

(4)自損事故の場合において、被保険者自身の契約した傷害保険会社から保険利益を受けたときは、保険会社は第三者にあたらないので、年金保険給付との調整はおこなわれず、保険金と年金の両方を受給することができる。

(5)第三者の運転する車が自賠責に加入していない無保険車であった場合、被害者は政府保障事業に賠償請求ができ、そこから賠償金を受けた場合に、それは第三者からの損害賠償ではないが、年金給付と二重の所得になることを防止するため、年金の支給調整が行われることになっています。

 

【解答】(1)正しい。そのとうりである。

(2)正しい。なお、機構では求償権の行使は煩雑な事務処理等が必要なため行っておらず、保険給付の支給停止措置と停止時に支給した年金分の事後回収をしています。

(3)正しい。将来の疑義の発生を防ぐために、必要とされている。

(4)誤り。この場合も、年金との支給調整は行われます。

(5)正しい。そのとうりである。

したがって、(4)が誤りであり解答となります。