退職時改定と基準日

以下の記述の中で誤りがあります。それを選択してください。

(1)厚生年金保険法では、厚生年金被保険者資格の喪失日は、厚生年金適用事業所を退職した日の翌日と規定されています。したがって、7月31日付で厚生年金適用事業所を退職した者が厚生年金の被保険者としての資格を喪失するのは、その翌日の8月1日である。

(2)老齢厚生年金の受給資格者が、厚生年金適用事業所を退職し、その後被保険者となることなく1か月を経過したときは、退職した日の翌日の資格喪失日から1か月経過後において退職時改定が行われる。したがって、7月31日に退職した者は、8月1日が資格喪失日となり、その1か月経過後の9月から退職時改定された新たな年金が支給される。

(3)2020年5月に成立した「年金制度改正法」により、2022年4月より「在職定時改定」の制度が施行されました。この制度によれば、9月1日の時点で厚生年金の被保険者である65歳以上の老齢厚生年金受給権者は、9月1日前の被保険者期間をもとに年金額の計算が行われ、10月にその改定が行われて増額した年金を受けることができるようになった。

(4)在職老齢年金制度の支給停止調整額について、65歳未満ではいわゆる低在老が適用され、65歳以降は高在老が適用されていましたが、2022年4月より65歳未満の老齢厚生年金受給者も高在老が適用されることになった。これにより、年金を全額受けられる可能性が広がり、就業意識が高まることが期待されている。

(5)(4)の支給停止調整額とは、総報酬月額相当額に基本月額(年金額の12分の1相当)を加えた額が一定の額を超えたときに、その超えた部分の2分の1を年金額から控除するという制度の基準となる額で、毎年1万円単位で改定されることになっている(勿論、据え置きの場合もありうる)。

 

【解答】(1)正しい(厚生年金法14条2号)

(2)誤り(法43条3項)。今までは設問の記述どうりであったが、共済制度との一元化後は共済制度にあわせるかたちで、退職日から1か月経過後となった。

(3)そのとうり。

(4)ただしい(法46条)。

(5)ただしい。令和5年度の支給停止調整額は、前年の47万から48万に改定された。

よって、(2)が解答となります。