マクロ経済スライド(Macro economic slide )

マクロ経済スライドについての記述のうち、誤りを選択せよ。

(1)平成16年の法改正により、それまでの給付ありきのスタンスから、年金保険料収入に見合った年金給付に方向転換した。これは、将来の年金財政の健全化を見据えた法改正である。

(2)今の年金制度は、積立型ではなく、皆年金を実現すべく、年金受給者の年金は、現役世代の被保険者の保険料で賄うという世代間扶養となっており、基礎年金制度発足時は2桁の被保険者で一人の受給権者を支えていたが、徐々に低下し、近い将来に、一人の被保険者で一人の受給者を支えるということが現実となろうとしている。

(3)新法施工時以降、老齢基礎年金額は物価の変動にスライドさせてきたが、平成16年の改正により、新たに年金の受給を開始する者には名目手取り賃金変動率により、すでに受給している受給者には物価変動率で年金支給額を決めることになった。

(4)(3)の改正により、年金の決定には名目手取り賃金変動率によるものと物価変動率による者とに分かれることになった。その結果、68歳未満の者と68歳以降の者とで被保険者期間が同じ月数でも、受け取る年金額は差がでることになっている。

(5)マクロ経済スライドは、仮に名目手取り賃金変動率または物価変動率がプラスになったとしても、そのまま年金額に反映するのではなく、被保険者数の減少と高齢化による受給権者の増加というマイナス要因を反映させ、将来、それが解消されたときにマクロ経済スライドも、終止符を打つ。

 

【解答】解答は(4)。平成16年の法改正以降、年金額が68歳未満と68歳以降で異なる率で算出されることはなかった。

(1)(2)(3)(5)は、すべて正しい。