遺族基礎年金(basic pension for surviving family)

遺族基礎年金の次の記述のうち、正しいものを選べ。

(1)遺族基礎年金は、子のある夫にも支給されるが、夫については遺族厚生年金の受給資格あることが要件となっており、従って、遺族厚生年金の受給資格を見るときの短期要件あるいは長期要件を満たしていることが必要である。

(2)遺族基礎年金において、子のある親に支給される年金額には本来の遺族基礎年金額(満額の老齢基礎年金額相当)と子に対する加算があるが、長男、次男、三男がいる場合、長男が18歳に達する年度の年度末を超すと、加算額が改定され、長男支分として給されていた224700円×改定率が減額改定される。

(3)配偶者である夫が死亡した場合、子のない妻には遺族基礎年金の受給権は認められず、寡婦年金または死亡一時金がみとめられる。そして、妻が60歳未満であれば60歳以降65歳に達する月まで支給されるので、寡婦年金を選択することになる、60歳以上の時は、寡婦年金と死亡一時金では、死亡一時金を選択したほうが得な場合もある。

(4)老齢基礎年金を繰り上げ支給されている妻に、遺族基礎年金の受給権が認められた時(高齢出産で子が18歳未満である場合など)は、老齢基礎年金額をまず支給し、遺族基礎年金額から、支給されている老齢基礎年金額を控除した額が、遺族基礎年金として支給される。

(5)いわゆる後妻で生計を共にしていた夫の子と妻に遺族基礎年金の受給権が認められつときは、子と後妻との間で養子縁組をしていない限り、子に遺族基礎年金の受給権が認められ、妻には受給権はない。

 

【解答】(1)そのような規定はない。なお、遺族厚生年金について夫が55歳以上であると60歳まで若年停止がされるが、遺族基礎年金を受給している夫は、55歳からでも受給でき若年停止はない。また、55歳未満の時は、夫には遺族厚生年金の受給権はなく、子に受給権が認められる。

(2)誤り。子の加算は人数によるのであって、長男、次男などの理由でのくくりはない。設問のようなときは、3人から2人になったので、74900×改定率の額が、減額改定される。

(3)正しい。65歳近くでの受給権は、死亡一時金を選択したほうが額が多いい時がある。

(4)そのような規定はない。設問の場合は、遺族基礎年金が支給され、繰り上げの老齢厚生年金は支給停止され、遺族基礎年金の受給権が消滅すると繰り上げの老齢厚生年金が停止解除され支給される。

(5)誤り(国民年金法37条の2,41条第2項)

解答は、(3)である。