高額療養費制度(High-cost medical treatment system)

次の記述の中から、誤りを選択せよ。

(1)医療費の自己負担分につき、後期高齢者(75歳以上の被保険者)は現在、原則1割負担(現役並み収入の者は3割)であるが、年収200万円以上の人は、2割負担とすることが閣議決定された。2022年10月から2023年3月の間で実施予定。これにより、対象者が訳370万人程度、増えることになるが、医療財政健全化には、なお程遠い。

(2)70歳未満の被保険者と70歳以上の被保険者では、経済的事情や医療の必要性等を考慮して、異なる制度設計となっており、70歳未満の高額療養費は、月単位での適用は同じだが、70歳未満では同一病院・同一科単位、外来・入院別、自己負担21000円以上はすべて対象となるなど、これに対し70歳以上では、70歳未満のような取り扱いはせず、すべてのレセプトが対象となる。

(3)平成27年1月より、70歳未満の高額療養費制度が細分化されて適用されることとなり、一般の分野の適用をさらに月額報酬別に、3つに分けて適用することとなり、少しでも財政健全化を図ろうとしている。

(4)75歳に達すると後期高齢者医療制度の被保険者となるが、月の途中で誕生日を迎えるものについては、特例的に2重の適用を防ぐために、異なる算定基準が設けられている。しかし、誕生日が月の初日の者は、2重適用の可能性がないので、その月の初日から後期高齢者制度における高額療養費制度が適用される。

(5)高額療養費は、被保険者が受ける保険給付が対象となるので、いわゆる差額ベッド代や自費診療代は対象とはならないが、入院時における食事療養費は対象となる。

 

【解答】(1)正しい。そのように閣議決定されている。

(2)正しい。

(3)正しい。そのとうりである。

(4)正しい。なお、被扶養者が70歳未満の時は、70歳未満の高額療養費制度の特例的基準が適用となる。

(5)入院時食事療養費や入院時生活療養費は対象とはならない。したがって、誤り。

(5)が解答となります