コロナと労働・社会保険給付

以下の記述の中で誤りがあります。それを選択せよ。

(1)コロナの爆発的感染でわたくしは、普段預けている保育園が開園休止になり子供を預けられなくなり、事業所を休まなければならなくなりました。そのため、給与がその分減額となってしまいました。このような場合、事業主に労働基準法に基ずく休業手当の支払いを求めることができる。

(2) 事業主から、新型コロナの影響で売り上げが大きく減少したので、しばらく休みを取ってほしいといわれました。契約社員の立場上、経済的に苦しくなるのは目に見えていますが、事業主の責任で売り上げが減少したわけではないので、休業手当を請求することはできない。 

(3)事業所において新型コロナウイルスの陽性者がでて、そのために自身も感染して陽性となってしまいました。この場合、業務中の感染であるので業務災害として、待期期間を除いて、それ以降の勤務に就くことができなかった期間について、労働者災害保険法による休業補償給付を受けることができる。

(4)プライベートで友人と久しぶりの会食を楽しんだが、その後、発熱・嘔吐し、様子がおかしかったので受診したら、コロナ感染と判明した。そのため、完治するまで会社を連続して2週間ほど休まざる得なかった。この場合、初めて欠勤した日から連続した3日間以降4日目より健康保険法の傷病手当金を請求できる。

(5)フリーランスとして、業務委託で仕事をしていますが、コロナに感染で子供の小学校が休校になり、仕事をすることができなくなりました。この場合、労働者として働いでいるのではないので、使用者からの雇用調整助成金を使った休業補償もなく困りました。個人でも申請できる小学校休業等支援助成金があると聞き、申請しようと思っています。

 

【解答】(1)誤り。使用者の責に帰すべき事由には当たらず、使用者が休業手当を支払う責任はない(労働基準法第26条)。事業主に雇用調整助成金の利用を呼びかけたり、小学校休業等災害支援助成金の利用を促すこともできる。

(2)正しい。使用者の責に帰すべき事由にあたらない可能性高い(労働基準法第26条)。ただし、感染防止措置をせず、放置した結果売り上げ減少につながったのであれば、休業手当を求めることはできる。

(3)正しい(労働者災害補償保険法第14条)。業務とコロナ感染との相当因果関係が認められれば、休業4日目から(それ以前3日間は連続制はもとめられていない)休業補償給付を受けることができる。

(4)正しい(健康保険法第99条)。業務外での休業となるので健康保険法の傷病手当が、支給開始日から、4年1月1日以降、通算1年6か月分労務に服さなかった場合に、傷病手当金が支給されます。

(5)正しい。小学校休業等支援助成金は、フリーランスでも要件を満たしていれば、その支援を受けることができます。